Z世代の特徴
Z世代は「やばい」のか
最近、「Z世代」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。
SNSで目にすることはもちろん、ニュースでも「Z世代」についての特集が放送されていたりします。
また、2021年の流行語大賞のTOP10に選出されるなど、「Z世代」は、近年話題のキーワードとなっています。
- Z世代って何のこと?
- Z世代はどんな特徴がある世代なの?
- Z世代はやばいって聞くけど、どういうこと?
今回は、このような疑問を解決できるよう、Z世代の定義と特徴についてまとめています。
私も、1999年生まれのZ世代に該当します。
私と年の近い現役Z世代の方々は、「Z世代」というくくりの中で、どのような見られ方をしているのかを知るためにも、ぜひ一読していただきたいです。また、最近入社したばかりのZ世代を部下に持つ上司の方々は、Z世代の独特な価値観や考え方の違いによってマネジメントに苦戦されることも多いかと思います。
そんな中で、Z世代が持つ特有の価値観の背景には、どのようなものがあるのかを知る機会になれば幸いです。
現役Z世代だからこそわかる主観的な感覚と、客観的視点を両方取り入れながらお話しします。
Z世代の定義とは?
Z世代の定義(何歳がZ世代に該当するのか)
Z世代とは、1999年から2011年に生まれた人々のことを指します。
日本においては概ね、1999年から2011年までに生まれた世代に相当している。 大半が1970年代から1980年代生まれの子供世代に当たる。
Z世代 – Wikipedia
年齢による明確な定義はありませんが、2024年現在の10代から20代が該当し、新社会人や学生がZ世代に該当します。
また、「世代」の概念は全世界共通で、アメリカでは「ジェネレーションZ」と呼ばれています。
Z世代と呼ばれる由来は?
結論は、アルファベット順に括られた世代において「Z」に該当するためです。
世代の概念は、このように時系列に沿って、アルファベット順に名づけられています。「Z世代」の「Z」はアルファベット順で最後になるため、2013年以降に生まれた次世代は、小文字のa(アルファ)世代と呼ばれています。
また、それぞれの世代は、生まれ育った環境により固有の特徴を持っています。中でも、「Z世代」は、従来の「X世代」や「Y世代」とは大きく異なった特徴を持っていると言われています。
なぜZ世代の特徴を知る必要があるのか
具体的な特徴をお話しする前に、なぜZ世代の特徴を知っておく必要があるのかをお話しします。
Z世代は、2023年現在において、入社したばかりの新社会人やこれから社会進出を控えている世代であることをお話ししました。つまり、これからの数十年間は、Z世代が社会進出を果たす時代であると言えます。Z世代が社会に与える影響力が強くなることは、以下のような必要性が高まる可能性があるのです。
①Z世代が消費やトレンドの中心になる=Z世代を意識したマーケティング
今までは、Z世代は学生であったため、金銭的な余裕もなく国内の消費の中心となれるほどの影響力を持っていませんでした。しかしこれ以降は、Z世代が社会進出することにより収入は増加し、購買力が向上します。
購買力や社会への影響力が高まるZ世代の特徴を知り、製品戦略やマーケティング戦略を立案することがビジネス成功の重要な要素となり得ると言えます。
②新入社員はZ世代である=Z世代を意識したマネジメント
新卒採用を行う企業であれば、今後10年間ほどの新入社員はZ世代に該当することとなります。
Z世代は、上司にあたるX世代やY世代とは異なる価値観や仕事観を持っているため、Z世代の価値観を理解した上でのマネジメントが人材育成のポイントとなります。
日本社会は少子高齢化が進み、若手人材の確保がますます難しくなっています。Z世代の価値観を受け入れ、長期的に働き続けられる環境を提供することが求められます。
Z世代の特徴
ここからは、Z世代の具体的な特徴についてお話していきます。
ネットリテラシーが高く情報収集や発信が得意
Z世代は、幼いころからパソコンやスマホが普及していたため、デジタル機器を当たり前のように使いこなします。いわゆる「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代に該当します。
そのため、何か必要な情報があれば、検索エンジンやSNSを活用し効率的に情報を収集します。
また、ツイッターやインスタグラムでの情報発信は友人とのコミュニケーションに欠かせません。
デジタルが普及した環境で育ったZ世代には、以下のような特徴があると言えます。
自分に必要な情報は即座に収集し、問題解決が図れる
ネット上で多様な価値観を取り入れ、生き方の指針にできる
情報発信を積極的に行うため、マーケティングにおけるオピニオンリーダーとなる
大量の情報が溢れる中で、不必要な情報も鵜呑みにしてしまう
権威や納得性のある他者の意見に流されやすい
友人や著名人の輝かしい姿を見る機会が多く、自分の生き方に疑問を抱きやすい
現実主義でコスパ・タイパを重視する
Z世代は、学生時代の成長過程で、幾多の社会・経済的危機を経験しています。
例えば、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災、2019年のコロナ禍が挙げられます。
このように、高度経済成長期のような好景気を経験せず、不確実性を当然に理解している世代です。
常に将来への不安を潜在的に抱えているため、消費動向はかなり保守的・現実的です。自身が価値を感じるものには積極的にお金を使いますが、無駄と感じる浪費は避ける傾向にあります。
Z世代の特徴である「飲み会に来ない」「車離れ」は、本人が潜在的な不安の中で無駄な時間やお金を使いたくないと考えていることの現れです。
多様性を尊重し、自分を大切にする
Z世代は、生まれた時からグローバル化がある程度進行しています。
また、ネットを使いこなし多くの生き方や価値観に触れてきた世代です。
このように、この世界には多様な人々が存在しており価値観が異なることを理解しています。
いわゆる「ダイバーシティ」を尊重し、自分と異なる意見や価値観を否定しません。
ダイバーシティとは、「多様性」の意味を持つ言葉です。具体的には、人種、性別、年齢、宗教、趣味、嗜好など、多様な人材が集まっている状態を指します。
ダイバーシティとは?注目される理由、メリットや課題を解説! | Indeed (インディード)
また、このような傾向は、自身の価値観を大切にすることにもつながります。
自分らしさを大切にするため、思想を植え付けられるような教育を嫌う傾向があるとも言えます。
社会問題への関心が高い
Z世代は、小中学校の学習の中で、環境問題や人権に関する教育を受けている世代です。
実際に私自身も、「地球温暖化の状況」や、「SDGs」の内容などが教育内容としてカリキュラムが組まれており、当たり前のように聞いていました。このような教育を経て、社会問題に対して強い関心を持っています。
「エシカル」と呼ばれる倫理的価値や社会貢献をコンセプトとした商品などが、Z世代を顧客としたマーケティング戦略の立案に有効になり得ると言えます。
エシカルとは英語で、直訳すると「倫理的な」という意味です。一般的には、「法的な縛りはないけれども、多くの人たちが正しいと思うことで、人間が本来持つ良心から発生した社会的な規範」であると言えます。私たちが普及活動を行なう際の「エシカル」とは、根底には一般的な定義が流れているものの、特に「人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方や行動」のことを指します。
エシカルとは – 一般社団法人エシカル協会 (ethicaljapan.org)
- ネットリテラシーが高く情報収集や発信が得意
- 現実主義でコスパ・タイパを重視する
- 多様性を尊重し、自分を大切にする
- 社会問題への関心が高い
Z世代はやばい?
Z世代が話題に取り上げられるときには、「Z世代は変わっている」「Z世代はやばい」このような意見が常に議論されています。Z世代がやばいと言われるのはなぜなのか、考察してみます。
結論、従来の世代が持つ価値観との差異が大きいからである考えられます。
Z世代の特徴をお話ししたように、Z世代はデジタルネイティブであることや、自分の価値観を大切にする現実主義者です。このような考え方は、Z世代以前の価値観とは全く異なるものだと考えています。
上司との飲み会を断るのは失礼だと、当たり前のように過ごしてきたZ世代の上司からすれば、特に悪気がなく飲み会を断ってくるZ世代の部下は「やばい」と感じるでしょう。
しかし、Z世代の育ってきた環境で形成された価値観からすれば、悪気はないことだとも考えられます。
「Z世代をやばい」と一概にとらえるのではなく、価値観を理解した上でマネジメントすることが有効であるのではないでしょうか。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は、「Z世代とは」というテーマのもと、Z世代の定義や特徴をまとめさせていただきました。
- 「Z世代」とは1999年から2011年に生まれた人々であり、現在の新入社員やこれから社会進出を控える世代。
- 幼少期からネットが普及していた「デジタルネイティブ」であり、情報収集や発信が得意。
- 社会的・経済的危機を経験し、現実的な考え方や行動を取る。
- 多様性を受け入れる「ダイバーシティ」が根付いている。
- 社会問題への関心が高く「エシカル」に価値を感じる。
Z世代の価値観や行動の背景には、このような特徴があると言えます。
これから社会進出を控えている現役Z世代の方も、Z世代のマネジメントに苦戦している方々も、このようなZ世代の価値観と背景を理解することで、考え方やマネジメント施策の参考になれば幸いです。
私自身も1999年生まれの現役Z世代であり、入社して間もない中で上司との考え方のギャップに悩まされながら過ごしてきました。Z世代とそれ以前の世代の方々が、お互いの価値観を理解・尊重し、それぞれに最適な生き方を選択できる環境を提供し合える環境ができれば最高です。
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