暗記・復習には「反復学習」が最強な理由|短時間で実践できる暗記力・記憶力アップのコツを解説

この記事でわかること
  • 人間が暗記が苦手な理由
  • 暗記には「反復学習」が最強な理由
  • 暗記を効率的に進めるコツ

受験勉強や資格試験など、あらゆるジャンルの勉強をしていても「暗記」は必ず必要になります。
受験生や社会人の方など、限られた時間の中で膨大な量を暗記することは簡単ではありません。

しかし、やり方を工夫せれば、なるべく時間をかけずにしっかりと記憶に定着させることができるのも事実です。

  • 暗記が苦手でどうしても覚えられない
  • 暗記する量が多すぎて時間が足りない
  • 一度覚えても記憶に定着せず忘れてしまう

今回は、このようなお悩みを解決できるよう、暗記を最短で効果的に行うことができる「反復学習」のコツをお伝えします。

実際に筆者も、受験勉強や資格試験などの様々な学習の中で「反復学習」を活用した暗記方法を実践してきました。

どんな方でも実践できるのが「反復学習」です。限りある時間で確実に結果を出すために、暗記のコツをマスターしましょう!

目次

暗記が難しい理由

人間はすぐに記憶を失ってしまう

暗記が難しい理由は、「人間は忘れっぽいから」です。

人間が生活する中で受け取る情報は膨大です。感情が大きく動いた出来事、印象深い出来事は明確に覚えている一方で、日常の些細な出来事を覚えている人はいないでしょう。

膨大な量を暗記しようとしても、人間の脳は一度に大量の情報を覚えることができず、時間が経てば忘れてしまうのです。

「時間の経過」と「記憶の定着」の関係ついて説明する研究には、「エビングハウスの忘却曲線」があります。

エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスの忘却曲線とは、ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスによって提唱された、「時間の経過」と「記憶の定着」も関係を表す曲線です。

エビングハウスの研究では、意味を持たないアルファベットの羅列を記憶させた後、その記憶をどれだけの時間保持できていたかを調査しています。

1880年から1885年にかけて、エビングハウスは、自ら「子音・母音・子音」から成り立つ無意味な音節(rit, pek, tas, …etc)を記憶し、その再生率を調べ、この曲線を導いた。

忘却曲線 – Wikipedia

その結果、20分後には58%1日後には26%しか記憶できていないという結果が報告されました。

この実験から、人間の記憶は覚えた瞬間から失われていき、何もしなければ一日後には7割強の記憶が失われてしまうことがわかります。

この実験では、意味を持たないアルファベットの羅列が用いられていますが、学習内容が難しく、学習量が多ければ、記憶が失われていくスピーカーはさらに早くなると考えられます。

人間の記憶は、時間の経過とともにほとんどが失われる。

暗記には「反復学習」が最強な理由

ここからは、記憶の定着のために「反復学習」を行うべき理由を解説します。

「節約率」が暗記を効率化するから

厳密にいうと、エビングハウスの忘却曲線の縦軸には、「節約率」を用いています。

節約率とは、同じ学習をするときに、記憶されている状態に戻るためにどれだけの時間が節約されるかを示します。

例えば、何かを暗記する際、最初の学習で記憶するのに100分かかったとします。その後、記憶は徐々に失われていきますが、1日後に復習すれば34%の時間を節約できるため、66分の勉強で記憶できるようになると考えます。

節約率(%)=記憶するために節約された時間÷最初の記憶にかかった時間

「節約率」の考え方は、反復学習によって何度も記憶を復活させることで、その記憶を思い出すために必要な学習時間は節約されていくと同時に、記憶として定着していくことを示しています。

つまり、エビングハウスの忘却曲線に基づけば、一度に多くのことを暗記しても翌日にはほとんどを忘れてしまうため、何度も同じ内容を定期的に繰り返すことで、覚えるための時間を節約しながら記憶に定着させることができるのです。

「反復学習」で節約率を高めることで、時間短縮と記憶定着が図れる。

時間を有効活用できるから

節約率をうまく生かすことができれば、同じ暗記量を短い時間で行えるようになります。

エビングハウスの忘却曲線の考え方では、同じ内容の学習を繰り返すにつれて、記憶の定着に必要な時間が減少します。
つまり、まとまった時間を確保して一度で覚えようとするのではなく、短い時間でも同じ内容に何度も触れることで記憶の定着を図ることができると考えられます。

脳が物事を記憶するメカニズムに基づいて、時間を無駄にすることなく記憶を定着させるためには、何度も同じに内容を繰り返す「反復学習」が最強です。

まとまった勉強時間が無くても、記憶の定着を促すことができる。

「反復学習」を実践するコツ

エビングハウスの忘却曲線の考え方に基づいて、「反復学習」が時間短縮と記憶定着に効果的な暗記方法であることをお話ししました。ここでは、「反復学習」を実践する上で、さらに記憶の定着度を高めるコツを紹介します。

苦手・難しい内容から進める

節約率は、繰り返せば繰り返すほど高まり、復習に必要な時間は短くなります。

また、カナダのウォータールー大学の研究によれば、「どんな内容でも、24時間以内に復習すれば、10分間の復習で記憶の定着率は100%に復活する。」とされています。

つまり、どんなに苦手な内容でも、24時間以内に復習すれば時間をかけずに節約率を高めることができると考えられます。

苦手・難しい内容は、どうしても復習するにも時間がかかってしまいます。限られた時間を有効活用するために、時間がかかる内容を優先的に復習することで、節約率を早めに高め、復習にかかる時間を短くしておくことが有効です。

苦手・難しい内容ほど、後回しにせず優先的に反復する

とにかく触れる回数を増やす

「反復学習」のコツで最も重要なのが、触れる回数を増やすことです。

エビングハウスの忘却曲線からもわかるように、人間の記憶は忘れるスピードが速い一方で、繰り返し復習するほど定着していきます。

暗記が苦手な方は、一度の学習ですべての内容を覚えきってしまおうと考えているのでなないでしょうか?

デスクに座ってしっかりと勉強することも大事ですが、スキマ時間や休憩中などに少しでも暗記したい内容に触れる習慣をつけることで、記憶の定着がスムーズになります。

スキマ時間を使って内容に触れる回数を増やす。

「読む」「話す」「書く」を繰り返す

参考書やテキストを赤シートで隠して読むのは、暗記方法の王道です。

しかし、記憶の定着をより促進するには「読む」だけでなく、「声に出して話す」「紙に書く」ことが有効です。

例えば、「書く」ことで記憶力にどのような影響を与えるかを見てみましょう。

指先を動かすためには、かなり繊細に脳から指令を出す必要があります。なので、脳の神経細胞であるニューロンの連結が促進されるわけです。…書きながら覚えるようにすると、記憶の定着が良くなります。先述したように、脳が活性化されてニューロンの連結が促進されるからです。勉強のコツとしても、「書きながら覚える」というのは昔から言われていますよね。

文字を書くことで脳を活性化できる!書くことのメリットを紹介します | スキルアップ堂 (career-rise.info)

「書く」という行為によって、脳の働きが活性化させ、記憶力の向上を図れると言います。

このように、同じ内容の暗記でも、体を使って覚えることで記憶の定着が促進されます。

紙に書くと時間がかかりますが、記憶への定着度は高くなります。そのため、最初は書いて覚え、それ以降は「読む」「話す」を繰り返すと良いでしょう。

脳で「覚える」だけでなく、体を使って「書く」「話す」を繰り返す。

ツールを活用する

暗記を効率化するには、様々なツールを活用すると効果的です。

付箋・マーカー」で、苦手な内容や間違えた箇所が一目でわかるように整理しましょう。
苦手な箇所から優先的に行うことで、節約率を一気に高めることができます。

暗記アプリ」を使って、スキマ時間でいつでも内容に触れられる環境を作るのもおすすめです。
オススメの暗記アプリに「フラッシュカード」があります。

暗記カード FlashCard - 単語帳を自分で作る&共有
暗記カード FlashCard – 単語帳を自分で作る&共有
開発元:Toshiki Motomura
無料
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どのような内容・形式でも、自由に自分で問題を作って復習することのできる暗記アプリです。無料で使えるうえ、スキマ時間を活用してスマホで暗記を進めることができます。

「付箋・マーカー」「暗記アプリ」などを活用し、苦手の克服・時間の活用を図る。

「反復学習」を実践するコツまとめ
  • 苦手・難しい内容から進める
  • とにかく触れる回数を増やす
  • 「読む」「話す」「書く」を繰り返す
  • ツールを活用する

まとめ

当記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます。

今回は、「暗記・復習には反復学習が最強な理由」と題して、人間の記憶のメカニズムから、反復学習によって効率的に暗記を進めることができることを解説しました。

どのような学習をするにあたっても、暗記から逃れることはできません。反復学習を上手に活用することで、限られた時間での効率的な暗記を進めることができます。

暗記が苦手な方でも今すぐ実践できる内容ですので、皆様の暗記学習に少しでもお役立ちできれば幸いでございます。

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