近年、SNSやメディアなどで「Z世代」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか?そして、Z世代は「やばい」「会社をすぐに辞める」「何を考えているかわからない」など、ネガティブなイメージを持たれていることも事実です。
実際、Z世代は考え方や価値観が特徴的であるため、新しい価値観を持ったZ世代が世間から受け入れられないことがあるようです。
- そもそもZ世代って何?
- 新入社員とうまくコミュニケーションが取れない
- 若い社員が何を考えているかわからない
- 会社の離職率が高まってしまった
今回は、このような疑問やお悩みを解決するため、現在24歳でZ世代に該当し会社員として数年過ごしてきた私が、「Z世代の特徴や価値観」と、それに基づく「会社に求めるもの」をまとめて解説しています。
私自身も、Z世代の特徴的な価値観には共感できる部分が多く、会社員として過ごしながら自分なりに悩みや葛藤と闘いながら過ごしています。
当記事をお読みいただければ、Z世代の価値観や仕事観と、Z世代が会社に何を求めているのかを理解することができます。
Z世代との関係性を深めるコミュニケーションをとることや、仕事にやりがいを持って働くことができるようになるかもしれません。
- Z世代の定義や特徴
- Z世代がすぐに会社を辞めてしまうのはなぜなのか
- Z世代である今の若者が会社に求めるものは何なのか
そもそもZ世代とは
「Z世代」とは、1999年~2011年ごろに生まれた人々のことを指す言葉です。
日本においては概ね、1999年から2011年までに生まれた世代に相当している。 大半が1970年代から1980年代生まれの子供世代に当たる。
Z世代 – Wikipedia
1999年生まれの私は現在24歳で就職して約二年になります。
つまり、今の新入社員やこれから入社してくる方々がZ世代に該当するのです。
このように、Z世代はこれから社会進出を果たす世代であるため、Z世代をターゲットにしたマーケティングやマネジメントの重要性が高まっているため、注目が集まっているのです。
Z世代の特徴
Z世代は「変わっている」「やばい」と言われているように、従来とは異なる特徴ある世代です。Z世代がどのような特徴を持っているのか解説します。
デジタルネイティブ
Z世代は、生まれた時からネットが普及していたため、スマホやパソコンを幼いころから使用してきた「デジタルネイティブ」です。
そのため、検索エンジンやSNSを使いこなすことに慣れており、必要な情報をすぐに集めることができます。また、書面などでのコミュニケーションをほとんど行ったことが無く、ラインやInstagramなどのデジタルツールを使用したやり取りは当たり前です。
デジタルネイティブだからこそ、欲しい情報をすぐに収集できる一方で、会社の評判などのネガティブな情報もすぐに察知することが特徴です。
常に不安で保守的
Z世代は、保守的・現実主義であるのも特徴です。
Z世代は、成長過程で様々な社会・経済的危機を見てきた世代であり、将来いつ何が起きてもおかしくないと考えています。
会社の業績がいきなり悪くなってリストラされるかもしれないなど、様々なリスクを感じており、就職活動においても「20代の成長環境」など、終身雇用を前提としない会社選びを行うことも一般的です。
特に20代の若い時期には、不安な将来に対して自分ひとりで生き抜いていけるようなスキルを手にしておくことで安心感を得ようとします。将来に不安を感じているから現実主義だからこそ、会社に依存しない自身の市場価値を高めることに注力するのです。
自分を大事にする
Z世代は「自己中」とも言われてしまいます。実際、Z世代は自分の価値観や考え方を大事にする世代であると言われています。
Z世代は、SNSなどを通じて多様な価値観に触れてきたため、この世界には様々な人がいて、それぞれが自分の価値観を持っていることを認識しています。だからこそ、自分が持っている価値観や自分らしさを大切にする傾向があるのです。
今までは、「周りに合わせる」ことが重視されていた中で、近年のZ世代は、「自分らしさ」を重視するため、人からどう見られるかをあまり気にしないのです。
会社員は、多少なりとも会社の文化や思想に染まることが求められるため、「自分らしさ」を重視する価値観や行動が「自己中」と捉えられることもあるでしょう。
- デジタルネイティブであり、情報収集と発信が得意
- 様々な社会的・経済的危機を敬遠したため、常に不安で保守的
- 自分の価値観や考え方を大切にする
Z世代が会社を退職・離職する理由
世代をはじめとする近年の新入社員の「早期離職率(3年以内の離職率)」は、約30%と高いまま推移しています。
このデータを見ると、「Z世代はすぐに辞める」と言われる以前から、新卒の離職率は高いまま変わっていないことがわかります。それでもZ世代の離職率が高いと言われる理由には、「退職を決める理由が変わってきている」ことが考えられます。
Z世代がなぜ会社を早く見切る決断をするのかを考察し、仕事や会社に何を求めているのかを考えます。
将来が不安だから
Z世代は、いつ何が起こってもおかしくないと理解しているため、「会社の業績がよくない」、「上司が転職を考えている」など、会社のネガティブな意見を聞くと、会社に属することに不安を感じやすいです。
また、もはや終身雇用を一切意識しておらず、転職や起業前提で就職するZ世代も少なくありません。
将来に対する不安を受けて、会社に依存することなく生き延びていける人材になることを強く望んでいるため、会社の業績や上司の働き方に不安や不信を感じるとすぐに会社を離れてしまう傾向にあります。
多様な働き方があることを知っているから
デジタルネイティブであるZ世代は、インフルエンサーや著名な起業家などの発言や、知人の近況をすぐに収集します。そのため、多様な働き方・生き方があることを知り、わざわざ今の仕事に執着しなくてもよいかと考えてしまうのです。
「今の時代は転職が普通」「副業で収入減を増やす必要がある」など、社会のトレンドも会社に依存するのではなく自分に合った働き方を進める風潮があります。
そのような情報に触れる機会が多いZ世代だからこそ、会社に残り続けることの意義を感じにくいため、退職・転職をしやすいと考えられます。
人間関係やうまくいかないから
Z世代に限らず、人間関係がうまくいかないことで退職を決断することは少なくありません。
そして、Z世代は、デジタルが主流な世代であるため、対人でのコミュニケーションになれておらず、会社での関係性づくりに苦戦しがちです。また、自分の時間を大切にする面もあり、プライベートの時間を削って会社の飲み会に行くことにも積極的ではありません。
このように、上司からすれば当然のことでもZ世代の価値観とはマッチせず、円滑で良好な人間関係を築きにくいことも、退職理由の一つであると考えられます。
- 将来が不安だからこそ、会社のネガティブな情報が目に留まりやすい
- ネット上などで、多様な働き方を知る機会が多いから
- 価値観のギャップで、良好な人間関係を築くことが難しいから
Z世代が会社に求めるもの
特徴的な価値観を持つZ世代は、仕事や会社に何を求めているのでしょうか。
私自身も、日々の仕事の中で何かモヤモヤする感覚があり、考え抜いた結果、退職し独立することを志しました。
そして、同時期に就職した友人なども似たような悩みを持っています。
こうした経験談を踏まえ、Z世代が仕事や会社に求めるものを解説します。
どこでも使える普遍的なスキルが身につく
Z世代の特徴のひとつに、「将来への不安を常に抱えている」ことがありました。将来何があるかわからないと考え、自分の会社もいつ業績が悪くなってもおかしくないと考えます。
そのため、会社内での評価よりも市場価値が高まることを重視し、自分がどこに行っても必要とされる、会社に依存しないスキルを身に着けておくことを望む傾向があります。
仕事には必要とわかっていても、その会社でしか使えないような特定のスキルしか得ることができないと、会社に依存することに不安になってきます。
さらに、Z世代はSNS上で知人の仕事の近況などをすぐに収集できます。同じ大学で一緒に勉強してきた友人が、自分よりも大きな会社で責任ある業務を行っていれば、多少なりとも劣等感や焦りを感じてしまうでしょう。
将来の不確実性に備え、自分の市場価値を高められるような能力を身に着けたいと考えます。
将来の明るい未来がイメージできる
Z世代は、将来に不安を感じていると同時に、自分の価値観を大切にします。
そのため、「この会社にいれば将来安泰」「自分のやりたいことが実現できそう」など、会社にいることで明るい将来が想像できることを望んでいます。
逆に、「会社の上司がつまらなそう」、「ネガティブな発言が多い」、「転職を考えている」など、会社に残ることに暗いイメージがあれば、わざわざ会社に固執する必要はないと判断してしまうでしょう。
「この会社でずっと活躍し、上司のような生き方がしたい!」と感じられる職場の雰囲気や業務内容であれば、会社に残り続け、自分の成長や自己実現のために仕事を頑張りたいと考えるでしょう。
プライベートの時間が確保できる
自分の価値観を大事にするZ世代は、プライベートの時間を確保したいと考えます。
尖った考え方かもしれませんが、仕事は自分の人生を充実させるためのひとつの構成要素だと考えるため、仕事とプライベートを明確に区別しがちな面もあります。
「自分らしい生き方」をしたいと考えるZ世代にとっては、プライベートの時間が自分を表現する時間として欠かせないのです。
「Z世代は飲み会に来ない」、「プライベートでの関わりは一切ない」などと言われるように、今までの世代からしたら考えられないような価値観であることはわかっているのですが、どうしてもそれ以上に自分の時間が大切だと考えてしまいます。
私も、資格の勉強や友人との時間を優先し、会社の飲み会にはほとんど言っていませんでした。しかし、飲み会や会社が嫌なのではなく、自分の時間の方が大切だからという理由でした。
Z世代にとっては、可能であればプライベートの時間をしっかりと確保し、自分らしい生き方を実現したいと考えます。
- どこでも使える普遍的なスキルが身につく
- 将来の明るい未来がイメージできる
- プライベートの時間が確保できる
まとめ
当記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます。今回は、「Z世代が会社に求めるもの」と題して、Z世代の特徴から、その特徴を踏まえた退職の理由、会社に求めるものについて解説しました。
私自身も、Z世代として生まれ会社員を二年間経験しましたが、自分を含め多くの同世代が解説したような悩みを抱えており、退職した人もいるのが事実です。
今後入社するZ世代の方がどのような価値観を持っているのかを知ることの重要性はより高まっていくでしょう。
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