- 目標を設定してもすぐに挫折してしまう…
- 結果に繋がる目標設定のコツを知りたい…
- どんな目標でも達成できるフレームワークがあったらいいな…
このように、目標を設定する方法に悩んだことはないですか?
こんな時に役立つ目標設定のフレームワークに「SMARTの法則」があります。
「SMARTの法則」は、5つの基準に基づいて目標を設定していく考え方で、結果に繋げるために必要な基準から考えていくため、どんな目標でも確実に達成しやすくなるフレームワークです。
筆者も、数々の資格試験を受験したり、営業コンサルとしての提案で目標を考える際に、「SMARTの法則」に基づいた目標設定を行うことで目標達成までのプロセスが明確になり、結果に繋がりやすくなった経験があります。
この記事を読めば、「SMARTの法則」を用いた具体的な目標設定の方法を理解できますので、より明確で結果に繋がる目標を設定できるようになります。どのような形でも、目標がある方は必見です。
- 目標設定のフレームワーク「SMARTの法則」とは
- 目標設定がなぜ大事なのか
- 「SMARTの法則」を用いた目標設定の具体例
目標設定が重要な理由
何かの目標を達成しようとするとき、必ず目標を立てるべきでしょう。
ここでは、そもそもどうして目標を設定することが大事なのかを検討します。
やるべきことが明確になるから
「なんとなくこんなことが実現できればいいな」とぼんやり考えているだけでは、具体的に何をすればいいかが定まらず、無駄な時間やエネルギーを浪費してしまうでしょう。
具体的な目標を設定することで、いざ何に取り組むべきなのかが明確になります。
自分の理想とするゴールを実現するために、時間やエネルギーを無駄なく費やすことができるようになり、結果として自己実現や会社のビジョンが形になっていきます。
進捗が管理しやすくなるから
目標を設定しておくことで、目標に対しての進捗を確認できるようになります。
数字で管理できる目標であれば、途中経過や進捗を確認することができるようになります。もし進捗が順調でなければ、直ちに軌道修正を行うことができますし、順調であればモチベーション維持にもつながるでしょう。
目標は立てて終わりではありません。達成に向けて正しい方向へ努力するために、進捗が管理できる必要があります。
モチベーションが高まるから
目標を達成するためには、必ずモチベーションを維持しなければなりません。
具体的で魅力的な目標を設定することで、プロセスで得られるスキルや達成後の姿に意味を見出しモチベーションを高める効果があります。目標をチーム間で共有したり、自分の理想の実現に近づいている感覚があるからこそ、モチベーションが高まります。
人や組織の成長に繋がるから
目標に向かって取り組み方を工夫したり、チームで協力する過程で、人や組織が成長するきっかけが生まれます。
目標がない中でタスクや業務をこなしても、スキルや経験として蓄積しにくいでしょう。具体的な目標があるからこそ、その目標を達成するために工夫をしたり、チームのコミュニケーションが活性化されます。
- やるべきことが明確になるから
- 進捗が管理しやすくなるから
- モチベーションが高まるから
- 人や組織の成長に繋がるから
「SMARTの法則」とは
「SMARTの法則」は、目標を設定する際に用いるフレームワークであり、5つの基準を用いて目標を立てる手法です。
- Specific(具体的)
- Measurable(計測可能)
- Achievable(達成可能)
- Relevant(関連性)
- Time-bound(時間制約)
SMARTの原則は、1981年にコンサルタントである「ジョージ・ドリュッカー」が「There’s a S.M.A.R.T. way to write management’s goals and objectives」の中で提唱したとされています。
これら5つの設定基準が組み合わさることで、より効果的で達成しやすい目標設定やプロジェクト管理が可能となります。SMARTの法則は単なる目標の設定のみならず、達成するための手段(目標管理)としても幅広く活用されています。
「SMARTの法則」で用いる5つの設定基準
SMARTの法則では、5つの基準を用いて目標を設定する手法です。
SMARTの法則で用いる基準について、それぞれ詳しく解説します。
Specific(具体的)
目標は、「明確」かつ「具体的」に設定します。
なるべく曖昧な表現を使わずに、どんな人が聞いても全員が同じように解釈できる目標を設定しましょう。
目標が明確でなければ、組織目標はメンバーごとに解釈が異なってしまったり、個人目標は達成までのプロセスを構築しにくくなり、結果として目標達成が難しくなるでしょう。
より明確で具体的な内容であるほど、成功の具体的なイメージができ、より精度の高いプロセスを進めることができるため、目標達成の可能性が高まります。
「新しい商品やサービスを開発する」「2024年7月に○○市場に投入する○○という商品を開発する」
Measurable(計測可能)
目標は、進捗状況を「定量的に計測できる」ように設定します。
数値目標などを用いて、目標達成にどれだけ近づいているのかを計測できることで、取り組みの評価や修正が行えます。
進捗の計測ができなければ、取り組みが正しいのか判断できず最後まで誤った方法を続けてしまうかもしれません。
計測可能な目標にすることで、取り組みを評価できるようになり、目標達成に向けた正しい筋道を進めるようになります。
「売上を伸ばす」「来月の売上を前年対比105%に伸長させる」
Achievable(達成可能)
目標は、現実的に「達成可能である」内容にします。
持っている資源や時間、能力などの様々な要素を加味して、達成可能かを判断することが重要です。
どう考えても達成不可能な目標を設定してしまうと、「頑張ってもどうせ無駄」と考えてしまいモチベーションも高まりません。難易度は高いが実現できる内容にすることで、目標達成へのモチベーションも達成感も大きくなるでしょう。
「1,000個の商品を1週間以内に売る」「500個の製品を1か月以内に売る」
Relevant(関連性)
目標は、「利益や最終的なゴールと関連している」内容にします。
組織目標であれば会社の方針や利益に、個人目標であれば自己実現に繋がる内容になるように注意しましょう。
自分の利益に直結しない目標を設定してしまうと、やりがいやモチベーションが生まれにくくなるでしょう。
最終的なゴールに結びつく内容であるからこそ、重要度も高くモチベーションも高まりやすくなります。
「会社内のコミュニケーションを増やす」「新規事業部発足のためにチーム間の交流機会を設ける」
Time-bound(時間制約)
目標を設定する際は、必ず「期限を設ける」ようにします。
目標に期限があることで、タスクを先延ばしにすることなく計画的に進めることができます。また、時間内に達成しなければならない切迫感が生まれ、目標達成の後押しになるでしょう。
「顧客満足度を高める」「3か月以内に顧客満足度を15%向上させる」
「SMARTの法則」を生かすポイント
SMARTの法則を生かしてより効果を高めるために注意するべきポイントを解説します。
最終的なゴールを明確にしておく
SMARTの法則は、短期的な目標を達成する際の目標設定に用いると効果的です。
そのため、最終的に目指すゴールやビジョンを明確にし、それを実現するための目標を達成していくように管理します。
長期的に目指しているゴールやビジョンが明確でなければ、目標を達成することの意義が見いだせなくなってしまいます。また、最終的なゴールに結びついていることで、目標を達成することの意味が明確になるため、達成のためのモチベーションも高まりやすくなります。
目標に優先順位を決めておく
複数の目標を設定していたり、目標達成のためだけに時間を割くことができないこともあるでしょう。
このような場合は、目標の重要度や影響性を考慮して、目標ごとに優先順位をつけることを意識しましょう。
限られた時間や労力の中ですべての目標を達成するには、重要度の高いものに注力して計画的に取り組んでいく必要があります。優先順位が定まらなければ、時間や労力が分散して結果が出にくくなるでしょう。
優先順位を明確にすることで、今やるべきことが明確になり、結果として目指すゴールの実現に近づくのです。
「定量目標」と「定性目標」を立てておく
SMARTの法則の基準に「計測可能」があるように、目標達成には進捗が確認できることが重要です。
取り組みの進捗をより詳しく評価できるよう、「定量」と「定性」の両側面の目標を立てると効果的です。
定量目標とは、「売上○○円の達成」など、数値で管理できる目標です。また定性目標とは、「○○回営業訪問をする」など、行動や意識によって評価できる目標のことを言います。
定量目標を達成するためには、定性目標である行動や意識づけが欠かせません。この両側面から目標の進捗を評価することで、より精度の高い進捗確認と修正が行えるため、結果として目標達成に近づきます。
柔軟性のある計画を立てておく
設定した目標は、必ずしも最後まで変更してはいけないわけではありません。基本的には、一度立てた目標は最後までブラさずに達成を目指すべきです。しかし、環境の変化や状況が変わった場合には、達成するべき目標も変わる場合があるでしょう。
そのような場合に備えて、環境の変化に対応できる柔軟性のある計画を立てておきましょう。
柔軟性のある計画を立てるためには、起こりえる状況やリスクをあらかじめ知っておくために、目標設定から達成まで情報収集と評価を徹底することが重要です。
モチベーションを維持できる工夫をする
どんなに精度の高い目標設定を行っても、達成へのモチベーションが無ければ成果は出ません。
目標を達成するまでモチベーションを維持できる工夫をすることが目標達成には不可欠です。
「達成に向けて前進していることがわかる」「友人やメンバーと目標を共有する」「プロセスで小さな成功体験や成果が得られる」など、プロセスな中に様々な工夫を用いると、モチベーションを維持するために効果的です。
- 最終的なゴールを明確にしておく
- 目標に優先順位を決めておく
- 「定量目標」と「定性目標」を立てておく
- 柔軟性のある計画を立てておく
- モチベーションを維持できる工夫をする
目標設定の具体例
ここまで、「SMARTの法則」で用いる5つの設定基準と、効果を高めるポイントを解説しました。
以下では、様々な場面において、「SMARTの法則」を用いて目標設定を行う際の具体例を紹介します。
ダイエット
項目 | 目標 |
---|---|
曖昧な目標 | 体重を減らして痩せる |
最終的なゴール | 華奢になり彼氏を作る |
Specific(具体的) | 体重を3キロ減らす |
Measurable(計測可能) | 3日ごとに体重計で測定しデータをまとめる |
Achievable(達成可能) | 週4日の運動とカロリーを意識した食事に変更 |
Relevant(関連性) | 華奢な体型であれば彼氏ができる可能性が高まる |
Time-bound(時間制約) | 1か月以内に3キロ減量を達成する |
SMARTの法則に基づく目標 | 運動や食事を改善し1か月以内に3キロ痩せる |
営業
項目 | 目標 |
---|---|
曖昧な目標 | 取引先を増やす |
最終的なゴール | 売上を伸ばして店舗・事業を拡大する |
Specific(具体的) | 新規取引先を5件獲得する |
Measurable(計測可能) | 各週に営業活動回数や顧客に関するデータを収集 |
Achievable(達成可能) | 営業人数や能力に応じた達成可能な件数 |
Relevant(関連性) | 新規取引先の増加は売上の伸長に不可欠 |
Time-bound(時間制約) | 1か月以内に新規取引先を5件獲得する |
SMARTの法則に基づく目標 | 営業回数や顧客データを管理し1か月以内に新規取引先を5件獲得する |
料理
項目 | 目標 |
---|---|
曖昧な目標 | 料理ができるようになる |
最終的なゴール | 家事ができるようになり幸せな家庭を持つ |
Specific(具体的) | 10種類のレシピを調理できるようになる |
Measurable(計測可能) | 時間や成功率を記録したり、知人に試食してもらう |
Achievable(達成可能) | 週3回の自炊をレシピを見ながら取り組む |
Relevant(関連性) | おいしい料理を作れると家庭的で幸福度も高い |
Time-bound(時間制約) | 2か月以内に10種類のレシピを調理できるようになる |
SMARTの法則に基づく目標 | 週3回レシピを見ながら調理し、試食してもらうことで、 2か月以内に10種類のレシピを調理できるようになる |
新規事業
項目 | 目標 |
---|---|
曖昧な目標 | 新規事業を立ち上げる |
最終的なゴール | 顧客満足度を高めて企業価値と利益率を高める |
Specific(具体的) | 介護福祉サービスを新たに事業化する |
Measurable(計測可能) | 毎月、市場調査とサービス開発のKPIをチェックする |
Achievable(達成可能) | 既存事業のノウハウ、十分な人員と資金を確保できる |
Relevant(関連性) | 介護福祉は需要が大きく、収益性も見込める |
Time-bound(時間制約) | 1年後に介護福祉サービスを新たに事業化する |
SMARTの法則に基づく目標 | 毎月に各KPIをチェックし、1年後に介護福祉サービスを事業化する |
SMARTの法則を実践してみた
筆者も、「SMARTの法則」を用いた目標設定を行って「中小企業診断士」という資格を受けてみた経験があります。
その経験に基づき、どのように目標設定をしていたのかと、実践した感想を紹介します。
項目 | 目標 |
---|---|
曖昧な目標 | 資格を取得する |
最終的なゴール | 会社員を辞めるため、スキルや能力をつけて起業する |
Specific(具体的) | 中小企業診断士という資格を取得する |
Measurable(計測可能) | 各科目の理解度を模試や過去問で計測しデータ化する |
Achievable(達成可能) | 計画的に時間を捻出し、方法を工夫すれば合格できる |
Relevant(関連性) | 国家資格を取得することで知識や能力を磨き、起業に繋がる |
Time-bound(時間制約) | 1年後の試験日で中小企業診断士試験に合格する |
SMARTの法則に基づく目標 | 時間や方法を工夫し、模試や過去問で理解度をチェックすることで、 1年後の中小企業診断士試験に合格する |
このように、SMARTの法則に基づく目標設定を行いました。
感想として、「最終的に目指すゴール」が明確になっていることが非常に重要だと感じています。
やはり、どんな目標でも達成するにはモチベーションを維持することが欠かせません。自分が目指すゴールや理想が明確になっており、それを実現するために努力できる目標でないと、必ずどこかで挫折してしまいます。
また、「計測可能」については、あらゆる手段を使って様々な方法で計測すると良いと感じています。例えば、資格のような得点率で評価できる内容なら進捗が確認しやすいですが、料理のようなカテゴリーだと、誰かに試食してもらわないと美味しく料理できているかの判断ができません。達成度合いを多面的に評価できるように設定しておくと良いでしょう。
まとめ
当記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今回は、目標設定のフレームワークである「SMARTの法則」について、内容と具体例を解説させていただきました。
何かを達成したいと考えているとき、適切な目標設定が立てられるか同課で結果が大きく変わってきます。
「SMARTの法則」は、どんな目標にでも使うことがフレームワークですので、何かを頑張ろうと考えている方は、こんのフレームワークを使って目標を設定してみてはいかがでしょうか?
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